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~原因不明の病気と闘った愛犬の記録~



【痙攣について ~ボニーちゃんの症例~】

【ご報告】 7/2 20:30追記

先日「供血のお願い」をしました「ぷりんちゃん」が、昨日亡くなられたそうです。
この記事のコメントに、お友達のtubutabuさんから皆様へ、お礼のお言葉を頂きました。
ぷりんちゃんのご冥福を心よりお祈り致します。
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【痙攣について ~ボニーちゃんの症例~】_b0087891_4562613.jpg

6/28の夜9時頃、
チワワの
ボニーちゃん、クライドちゃんのママ
さんからコメントが入っていました。
お読みになられた方もいらっしゃると思いますが、以下、そのまま転記します。


  〔←ボニーちゃんです〕








at 2006-06-28 21:09
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はじめまして、ぼに&くらままと申します。
体の震えが止まらず、この文章を打っていますので、誤字・誤変換などありましたら申し訳ありません。

我が家のボニーが、今朝未明に低Ca血症を起こし、現在入院中です。
乙音ちゃんの痙攣発作と全く同じ症状でした。

耳を床や壁に擦り付ける、目つきがおかしくなる、くしゃみ・・・我が家のブログで情報提供を呼びかけたところ、こちらのブログを紹介していただき、急いで全闘病記を読みました。
低Ca血症以外の下痢・嘔吐は当てはまりませんが、便秘、食欲不振、多飲他尿などはそっくりな状態です。

ボニーは2日前に食欲不振でかかりつけに受信した際、尿比重0.0008とかなり低い、血液検査AST(*1)・BUN(*2)が少し高いことで腎疾患の可能性を示唆され(このときはCaは正常値だった)活性炭の薬をいただいてきたばかりでしたが、本日午前4時頃低Ca血症の発作(体温42℃)を起こし、かかりつけが休みだったため友人のおすすめ獣医さんに駆け込んで、今は点滴と解熱剤でで症状が安定している状態です。

私は上皮小体機能低下症を疑っているのですが、先生は、一時同居のもう一頭もふらつきなどの症状が出たため(私はこれは、犬同士の以心伝心のなせる技かもしれないと考えています)散歩中に不凍液などの成分(聞きましたがよくおぼえていません)を飲んだ事による中毒症状ではないか、と仰います。

長々と書きましたが、どうか、何かアドバイスをいただけないでしょうか?
乙音ちゃんの病名は結局判明しなかったのでしょうか?
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  〔補足〕
  *1)AST:アスパラギン酸アミノトランスデラーゼ
     臓器の細胞に含まれる酵素でアミノ酸を作る働きをする。臓器欠損で増加。
     犬の正常値=10~50U/L
  *2)BUN:尿素窒素
     血液中の尿素に含まれる窒素分で、腎機能チェックの指標となる。
     犬の正常値=10~28mg/dl




私はこの3時間後にコメントを見てすぐ、ぼに&くらままさんのブログへお邪魔しました。
痙攣を起こしたのはこの日の未明(早朝5時半過ぎ)とのこと。
その5時間後には、ブログで情報提供の呼びかけをされていました。

まず、この対応の早さに驚きました。

コメントを読んで、かなりご心配されているご様子が伺えました。
亡くなった乙音と症状が酷似していることを知った時、誰でも「体の震えが止まらず」の状態になるでしょう・・。

その後、何度かコメントでやりとりさせて頂き、ボニーちゃんが痙攣を起こしてからの、ぼに&くらままさんの対応の素晴らしさに感心しました。
私がブログを書き始めたのは乙音が亡くなった後ですので、乙音が最初に痙攣を起こした時は、ままさんのようにWeb上で情報提供のお願いをすることもできず、「痙攣」というキーワードで検索して調べることしかできませんでした。事前に、犬の病気の症状について書かれたサイトをブックマークしていたつもりでしたが、的確なことは書いて無くて、急な痙攣でパニックに陥ってしまいました。。


前置きが長くなりましたが・・・
低カルシウム血症による痙攣(特に「前兆」)について、また、ぼに&くらままさんの適切な対応の仕方について、飼い主の方には参考になると思いますので、このことについて書こうと思います。

【痙攣について ~ボニーちゃんの症例~】_b0087891_11263237.jpg

   〔↑「お手っ!」と言ったら、この状態・・両手ですが。。つくちゃん(苦笑)〕




~続き~

以下、ぼに&くらままさんから教えて頂いた、ボニーちゃんの痙攣数日前からの状態です。

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1月半ほど前から少しづつ、飲水、尿量が増えてきていましたが、「もう中年だし、歳のせいだろう」と思っていました。同居のクライド(7歳)も、昨年末くらいから同じ症状でしたので。

   6/24(土) 少し食欲がありませんでしたが、好物は喜んで食べていました。
          残したドライフードも夜中のうちに平らげていました。
          「夏バテ」だと思っていました。
 
   6/25(日) 朝は普通にフードを食べました。
          夜はドライフードには近づこうともせず、普段がくいしんぼなので
          さすがに心配になり、翌日病院に行こうと決めました。

   6/26(月) かかりつけのN病院で、血液検査。
          尿比重・0.0008 AST 84U/L BUN 35mg/dl
          (血液生検16項目のうち異常が出たのは3項目)

          「腎機能が悪くなっている」との説明を受けて活性炭の薬を頂く。
          この時点でのCa値は11.5。(正常値)  

   6/27(火) 朝は食欲あり。
          夕方、いつも喜ぶおやつにあまり興味を示さなくなっていた。
          夜10時頃の散歩では歩くのを嫌がり、以前から散歩に行きたく
          ない時に見せていた癖、「頭を床や地面にこすりつける」動きが
          見られるようになる。結局、排泄は確認できずに帰宅。

          帰宅後もその動きが続き、不思議に思う。
          これと前後して、くしゃみを頻繁にするようになる。
          手作りフードも30分程かけて休みながら食べる。
 
   6/28(水)午前4時50分 
          「ヒャンヒャン!」という悲鳴が聞こえてくる。
          ただ、この夜中の悲鳴は、かなり子犬の頃からあり、
          最初は心配で見に行っていたが、抱き上げるとおさまる類で、
          (これまではしばらくするとおとなしくなっていた)今回も放っておく。

          午前5時30分 
          様子を見に行くと、明らかにこれまでとは違うぐったりした様子。
          心なしかお腹が張っているような感じがした。
          時々頭をこすりつけながら部屋中を動き回る。
          それでも抱いていると落ち着いていた。

          念のため、時間と症状をメモに取り始める。
          (この段階からネット検索。腸閉塞やてんかんを疑っていました)
          飲水多量

          午前5時40分 
          後ろ足がピクピクし始める。          
          目つきも段々おかしくなっていき、
         平行して熱が急激に上がっている
のがわかる。

          午前6時30分 
          とうとう立てなくなったが、まだ意識はあり、声をかけると安心して
          泣き止む。時折激しい痙攣。
          飲水多量  体温39.7度

          7時10分 上体も起こせなくなり、意識も混濁しはじめる。

          7時30分 四肢がつっぱり、ときおり激しい痙攣。

          8時40分 
          N病院が休診日のため、お友達のかかりつけのI病院へ到着。
          キャリーの中で失禁していた。
          四肢はつっぱっているものの、
          激しく痙攣する事は無くなっていた
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過去記事「痙攣について」にも書きましたが、痙攣の原因は様々です。
ボニーちゃんの場合、痙攣後の血液検査で、Caの数値が低い(=4.1mg/dl。乙音の痙攣翌日の数値=3.8mg/dl。正常値=9~12程度。)ことから、痙攣の原因は「低カルシウム血症」によるものではないかということでした。

[低カルシウム血症]による痙攣の場合、ボニーちゃんも乙音も同じ症状だったことから、「前兆」は次の行動によると思われます。

     1)頭を床にこすりつける
     2)目つきがおかしくなる
     3)くしゃみをする
     4)排尿がなくなる、または少なくなる
     5)水を多量に飲む

血中Caがどの程度急激に低下していくかは判りませんが、おそらくその度合いによって、前兆行動の他に、数時間~数日前から、

     ・食欲減退
     ・元気の喪失 ・・・などが見られるようです。

やはり、「食欲減退」「多飲(多尿)」「元気喪失」・・は病気のサインと捉えるべきですね・・
熱が上がる場合、どうやら「排尿回数・量が減る」傾向もあるようです。


また、血中Ca低下の原因としては、下記のものが考えられます。

    ・低アルブミン血症(タンパク減少)⇒吸収不良 
    ・上皮小体(*3)機能低下症
    ・甲状腺手術後 
    ・壊死性膵炎 
    ・腎不全
    ・産褥性テタニー(産後、授乳期の母犬のCa低下)
    ・エチレングリコール(*4)中毒

乙音の低Ca血症の原因は、低タンパク血症から派生した「吸収不良」によるものでした。
ボニーちゃんの場合、TP(血漿総タンパク)の値は正常なことから、「誤飲(エチレングリコール中毒)」「上皮小体機能低下症」によるものの疑いがあるようです。

   〔補足〕 
     *3)上皮小体:甲状腺の裏に存在する内分泌器官
        非常に小さく肉眼では見えないことがあるらしい。
        パラトルモンという、Caとリン酸の調節をするホルモンを分泌する。
     *4)エチレングリコール:不凍液などに含まれる成分。
        甘いので動物が舐めてしまうことがある。
        肝臓で分解されるが、分解物質が悪影響を及ぼす。
           参考:中毒物質一覧
    


ぼに&くらままさんの対処については以下の通りです。
非常に迅速かつ的確な行動をされていると思います。
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【病院に入院した後の行動(ブログでの呼びかけ等)】

しつけ教室の先生に、低カルシウム血症が疑われている事を報告して、無理の無い程度で情報を提供してください、とお願いする
→しつけ教室のBBSに載せていただいた。

すぐに、自分のブログに判明したことから順に載せ始め、広い範囲での情報提供を呼びかける。この日は計3回の記事の追加差し替えをする。
→お友達ブロガーが、自分のブログで呼びかけやトラックバックを貼り付けてくれる。

ネットで症状や判明している可能性について調べ、自分なりの仮説をたて、担当の獣医師に質問する。
→その結果をブログで順次公表。

寄せられた情報(乙音ちゃんブログやだいじょうぶマイペット)にアクセスしてご協力をお願いする。

なるべく思い込みを捨てて多角的に考えるように努力して、パニックを起こさないように気をつけました。
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ネット検索では、思いの外、「必要な情報が得られない」ことがありますよね。
検索エンジンによっては、関係ないようなものまで拾ってきたり・・
その中から必要な情報を探るのは、(場合によっては)大変なことです。
特に、「痙攣」のような緊急事態の時は、少なくとも冷静な精神状態ではないですから、「どうして的確な答えがないんだろう・・」と、私は思いました。


私が、ぼに&くらままさんの対処が素晴らしかったと思うのは、次の点です。

    (1)すぐにブログや知り合いに情報提供を呼び掛けたこと
      →独りで調べるより迅速に情報が集まる

    (2)ネットで症状や判明している可能性について調べ自分なりの仮説をたて
      担当の獣医師に質問したこと
      →「仮説を立てる=理論立てて可能性を整理」し、
        獣医師に「質問=納得できる答えを得る」

        ※治療の選択権を持つのは飼い主です。
          獣医師任せにしないことは、後悔しないためにも必要ですね。

    (3)(2)の結果をブログで順次公表したこと
      →重複した情報が集まるのを防ぎ、よりポイントを絞った情報を得られる。

    (4)思い込みを捨て多角的に考え、パニックを起こさないように気をつけたこと
      →冷静になることを心掛け、次の判断を誤らないようにしている


現在のボニーちゃんですが、
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   「依然、原因は判明していませんが、今後の治療方針に関する事も勉強
   出来ましたし、予定が立てられました。
   (来週血液検査→まだ?なら人間用施設で検査→それでも?なら大学病院)
    ボニーは毒物中毒だった時のために、肝臓の薬・低Caを防ぐ為のCaの薬を
    飲んでいますが、昨日退院した時のだるそうな感じも幾分治まったように
    見受けられます。朝も食欲いっぱいでした」
--------------------------------------------------------------
・・とのことです。
退院時の血液検査で、Caは正常値の9.1まで戻っているそうです。
乙音は最初の痙攣を起こしてから、Caを注射・点滴で補ってもCa値はずっと戻らず(3.1~3.8)、ボニーちゃんは乙音と同じ消化不良によるものではないと判断できます。
原因が判っていませんが、原因を突き止めるまで対処されるお考えが伺えます。

「?」のまま終わらせないこと、これも大切だと思います。


痙攣は、おそらく必ず「前兆」があると思います。
ただ、気を付けていないと見落とす可能性があります。
日頃の観察をしていないと、「微妙な変化」に気が付かないかもしれません。

我が子の痙攣を目の当たりにすると、おそらく殆どの方は冷静でいられないと思います。いろいろな「恐怖」が襲ってくることでしょう・・。

痙攣を初めとする「緊急事態」に冷静に対処するには、

    的確で迅速な対処をするために ⇒「病気のことを知る」
    パニックに陥らず、冷静に次の対処をするために⇒「多くの体験談を読む」 

             ・・・・これらのことが大切だなぁ・・と、改めて感じました。


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