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~原因不明の病気と闘った愛犬の記録~



【大学病院での受診を考える前に】

私は大学病院での受診をお勧めしていますが、誤解があればいけないと思いますので、もう少し詳しく書こうと思います。


私が経験上、大学病院をお勧めするのは、次の場合です。
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  掛かりつけの個人動物病院で、

     ①原因が判らない
     ②検査設備が整っていない
     ③難病と診断された
     ④治療方法、手術が難しいと言われた    ・・・場合
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動物診療は、人間のそれとは次元が全く違うと思います。
病院によって、獣医師によって、格差があるのは否めません。
また、統一した料金体系もなく、中には悪質な「儲け主義」のところもあるようです。

「①原因が判らない②検査設備が整っていない」は、多くの場合密接な関係があると思われ、検査したくても設備がなかったり、病気そのものについて、その治療法について確立されていない、または獣医師の経験が不足している・・などが考えられます。

このブログを読んで頂ければ、私が獣医師に対してかなり不満を抱いているのが感じられると思いますが、①や②の場合は、一概に獣医師を責められないところがあると思っています。


①「原因が判らない」について

動物の種類は様々です。犬だけでもかなりの種類があります。
およその造りは同じとは言え、特に愛玩動物は異種交配によって「創られた」種類が多く、人間では有り得ない「血の濃い」交配をしてしまうブリーダーも多いと聞いています。
それにより、予想外の病気になることもあったり、犬で言えば犬種ごとに「掛かり易い病気」というものができてしまうのだと思っています。
また、人間に比べれば、「命の重さ」は軽んじられています。臨床データも不足しているはずです。病気やその治療方法についての獣医師間の情報網も、人間よりは未熟なはずです。

そんな中で、動物の全ての病気に対応できるわけがなく、「原因が判らない」というケースは多いのではないかと思います。



②「検査設備が整っていない」について

病院とは言え、国からの援助があるわけではなく、「個人事業主」「中小企業」と同じです。なので、経営していくには利益を上げていく必要があります。(私も一応独立しているので、その厳しさは理解しているつもりです。)
「慈善事業」ではなく「営利目的」だということを頭に置いておかなければなりません。「儲けが無くても病気を治す」ような赤ひげ先生は、思ったより少ないのかもしれません。。

フィラリア・ワクチン・狂犬病予防接種などの決まった診療以外は、動物が病気や怪我をしなければ来院しないので、収入も不安定な業種です。そんな状況で、高価な検査設備に投資していかなければならず、かなりの数の獣医師は、思ったように設備を整えられず、歯痒い思いをされているのではないかと思います。

そう考えると、個人開業の動物病院で、高度な検査・治療が受けられないのは仕方の無いことかもしれません。

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「①原因が判らない②検査設備が整っていない」この場合は、その病院での治療は限界なので、より設備が整っていて、経験・知識のある獣医師のいる大学病院や、それに準じる病院へ早く行くことが必要だと思います。

「③難病と診断された④治療方法、手術が難しいと言われた」、この場合は、おそらく獣医師から大学病院なりを紹介してくれると思われます。
自分のところでは「限界だよ」と言っているからです。
もし紹介の話がなければ、獣医師と治療方針等について、よく話し合う必要があるのかもしれません。「治療の目算がある」のか、「手を離さない」のか、を見極めるためです。
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①②の場合は、獣医師から率先して、大学病院なりそれに準じる病院を紹介して頂きたいものです・・。「本当に治してあげたい」と思うなら、獣医師から切り出すべき話だと思います。その上で、治療費その他から飼い主がどうすればいいかを選択するようにして頂きたいですね・・
「手に負えなければ、手を離し、できるところへ繋ぐ」というのも、ある意味、「治療」ではないかと思います。それをしない、できない獣医師に対して、私は不満が募ってしまいます。。


【大学病院での受診を考える前に】_b0087891_66715.jpg



ここからが「誤解」のないようにお話しておきたいことですが・・

経験・知識があり、設備が整っていれば、何も大学病院でなくともいいと思っています。個人開業でもそのような病院はたくさんあると思います。むしろ大学病院よりも優れた民間の病院はあると思います。
ただ、本当にいいのかどうかを判断するのに、民間の病院よりも大学病院の方が「レベルが分かり易い」ので、不特定多数の皆様にお伝えするのに「大学病院」と言っています。


高度治療のできる民間病院が判っていれば、その方がいいのかもしれないと思うこともあります。
私が大学病院に偏見を持っていたのは過去記事に書きましたが、大学病院はあくまで「教育を兼ねる」ところです。病気・怪我の治療を、将来獣医師になる学生の実習の場にすることは必須です。なので、場合によって、経験の浅い者による治療が行われることもあるはずです。もちろん、監督者はいるでしょうが・・。

乙音を連れて行った大学病院で、分かっていたとは言え驚いたのは、診察前の助手先生の問診で、ズラッと学生が並んでいたことです。私達と助手先生の会話をノートに書いていました。
診察室のドア越しに、奥で検査や治療をしている学生の姿も見えました。
ICUで乙音を看てくれた方の中には、学生も含まれています。

大学病院では、「学生が関与する」ことだけは頭に入れておかないといけないと思います。

事故や見落としの可能性が0とは言えないのは、人間の大学病院でも同じで、私が過去に白血病と誤診されたり、父の大腸ガンを末期になるまで見落としたのは、某国立大学病院でした。

乙音が掛かった大学病院(麻布大学病院)には良い印象を持てました。
そこしか経験していないので、他の大学病院がどうなのかは分かりません。
麻布大学病院の待合室で知り合い、飼い主の方と診察まで話をしていたヨーキーの子は、開業医を3軒変えても原因が判らず、その大学病院で心臓のガンとすぐ判明したそうです。残念ながら、余命宣告をされてしまったようですが・・。
ただ、原因疾患はすぐ特定できていました。
乙音の場合も、開業医では予測されていなかった「腸の病変」が判りました。

学生が関与するというリスク(?)はありますが、原因を特定したり、高度な治療をするためには、大学病院での受診という選択肢は外せないと、個人的には思うのです。

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by harutsuku | 2006-07-08 06:18 | 大学病院/お薦め病院
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