~原因不明の病気と闘った愛犬の記録~



【2006/4/23 闘病59日目 -1-】

大学病院の診察予約日を次の日に控えていました。
2週間以上待って、やっと診て頂けるのです。

それなのに・・乙音の状態は良くありません。。
腹水でお腹は膨らみ、足には浮腫がみられました。
痩せてしまい、骨が目立つ細い足と、その数倍もあるむくんだ足・・

被毛は相変わらず抜けてしまいます・・
歳をとる毎に、被毛の艶はなくなってきてはいましたが、「動く宝石」と称されるヨークシャーテリアの名に恥じない、綺麗な艶のあるコートだった乙音でした。
今や、その面影はありません。。
艶はなく、軽く撫でるだけで、長い被毛が掌に残りました・・

お腹がかなり重いのでしょう・・ 
ヨタヨタと2~3歩歩いては立ち止まり、何度も一休みしながらトイレに向かいました。
排尿の時には、女の子特有の「お座り」に近い体勢でしていたのですが、
もうこの時は、お尻をぺったりとペットシーツにつけていました。
後足の踏ん張りが利かず、腰を浮かせることができなくなっていました・・
時折、体を支えることができなくなり、全身ペタンと床に伏せてしまいました・・

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  「末期症状なのか・・」

・・分かっていました。末期症状の腹水であることは・・
けれど、頭の中からは、「末期」「助からない」という言葉を抹殺していました。

  「そんなはずはない!明日、大学病院で診て貰えるんだから、絶対治る!」

そう自分に言い聞かせ、乙音にも同じ言葉を掛けました。


「乙音はこんなに頑張ってきたじゃないか。。痛くてもなかず、注射や点滴にも耐え、最初は嫌がったニュートリカルだって舐めて、必死に生きようと頑張っているじゃないか・・ また一緒に駆け回って、一緒に寝て、ずっと一緒に暮らすんだから・・」

そんな思いとは裏腹に、乙音のお腹の膨らみは、もうこれ以上膨れたら破裂する勢いになっていました・・。まるでお腹の中に、風船でも入れているかのように・・

そして、乙音はずっとお座り姿勢のままで、伏せたり横になって寝ることをしませんでした。最初はその体勢は辛いのではないかと思い、横にして寝かせようとしたのですが、すぐにそのお座り姿勢に戻ってしまいました。
きっとその体勢が楽なんだろうと、無理に寝かせることは止めたのですが、あまりに辛そうに見えたので、クッションやタオルで、頭を載せられるように台を作ってあげたのですが、それさえも拒みました・・

ずっとお座り姿勢のままなので、眠れないのでしょう・・
時折、目を瞑り、コックリとしていましたが、すぐに目を開けてしまいます・・
睡魔が襲ってくるのか、それとも痛みなのか・・
上体を逸らせ、真上を向き、目を瞑ることが多くなってきました。
寝ているのとはちょっと様子が違っていて、私は心配になり、乙音の名前を呼びました。すると乙音は、私の顔を、「大きく目を開いて」しっかり見てくれました。

  「つくちゃん・・・ 大丈夫?。。」

乙音を心配させてしまうので、テンションの低い話し方はしないように気をつけてはいましたが、さすがにこの時は心配でなりませんでした・・
何度も、「大丈夫?」と声を掛ける度に、乙音は「だいじょうぶよ」と頷くように、大きな目で私を見てくれました・・

この日も妻は終日仕事で留守にしており、妻も乙音の傍にいたかったと思います。
人に代わってもらえるような仕事ではないので仕方ないのですが、乙音もきっと、妻に傍に居て欲しかったと思います。。

この日、春之進は、乙音の傍にいることが多かったように思います。
乙音の闘病中、春之進の行動はそれまでとさほど変わりませんでした。
好きな場所で寝て、乙音に寄るでもなく離れるでもない感じでした。
殆ど目が見えない春之進なので、乙音の状態が分かっているとは思えなかったのですが、この日の春之進は、お座り姿勢のままの乙音の、すぐ脇で伏せていることが殆どでした・・
動物は「予知能力」があると言います。
春之進が乙音の傍から離れないのを見て、それが私の不安を増長させていました。

乙音がお座り姿勢を取り始めたのは、この日の朝9時頃からだったでしょうか・・
かれこれ5時間以上、その体勢のままだった14時頃、私は乙音を柔らかいクッションの上に乗せ、お腹に負担が掛からないように、やや斜めにして私の膝の上に乗せてみました。
乙音はその体勢が楽だったようで、少し横向きになって眠り始めました。
私の膝には乙音が乗っているのに、膝にはクッションの感触しかなく、いつもの乙音の重さも感じられませんでした。腹水が溜まったことで、乙音の体重は2kgはあったので、発症前と重さはさほど変わらないはずなのですが、ここ1ヶ月あまり、乙音を膝の上に乗せることが出来なかったせいなのか、今まで感じていた重さではありませんでした・・

私の膝の上で、2時間は眠っていたでしょうか・・

眠っている乙音は、呼吸も安定しており、とても安らかな顔をしていました。
私の膝の上が好きで、いつも気がつくとチョコンと乗っていた乙音でした・・

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乙音の寝顔を見ながら、いろいろな想い出が蘇りました。

乙音を家族にした日のこと・・
自宅に戻って、早速、春之進に喧嘩を仕掛けたこと・・
グラウンドで春之進の後をワンワン言いながら追いかけていたこと・・
仕事から帰ると、いつも玄関までお迎えに来てくれてたこと・・
散歩の時、5mの伸縮リードを目一杯伸ばして先に駆けていったこと・・
寝る時は、私の腕に顎を乗せ、「おやすみ」と言うと、チュっとしてくれたこと・・


この2時間が、乙音を膝の上に乗せて寝顔を見れた最後になりました・・
その後、大学病院へ出発する早朝まで、乙音はずっとお座り姿勢のまま、夜を越えることになりました・・


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by harutsuku | 2006-08-11 14:31 | 闘病記
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