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~原因不明の病気と闘った愛犬の記録~



【2006/4/24 闘病60日目 ~診察1】 

  「とにかく冷静に、先生に今までの経過を伝えなければ・・」

意を決して診察室のドアを開けると、目の前には白衣を着た先生が一人、その背後には、横二列に並んだ学生さんが5人立っていました。
大学病院なので、学生さんの臨床経験の場になることは承知していましたが、ちょっとビックリしました。
皆さん、小脇にノートを抱え、授業の一環であることは明白でした。

  「助手の○○です。」

(あ、いきなり偉い先生ではないんだね・・)
早く診て欲しかったので、正直、教授でなかったことに少し残念でした。
まずは経過をお伝えする段階なので、とにかく言い残しのないようにと思いました。

乙音を診察台の上に座らせ、妻が乙音の体を触っていました。
助手先生は、私が受付の時に渡した紹介状を見ながら、私達に質問しました。
私は頭の中で、発症の時から今日までのことを映像として頭に描きながら、答えていきました。


・嘔吐が3日続き、発症に気付いたときのこと
・ずっと便秘だったこと
・最初に病院へ連れて行ったときにどんな検査をし、結果はどうで、どんな処置をされたか
・その後数日の経過観察中の様子
・再診でのレントゲン検査で胸水が発見されたこと
・胸水の成分は「ほぼ水」であったこと
・血液検査でTP(血漿総タンパク)の値が低いことが判明したこと
・体重が短期間で一気に500gも激減したこと
・低Ca血症による痙攣を7回も起こしたこと
・嘔吐を繰り返したこと
・昨日までは、下痢の回数が少なかったこと
・TP値は常に3以下であったこと
・どんなにCaを注射しても、Ca値が3.1以上にならなかったこと
・食欲が無いこと
・数日前から脚に浮腫が見られたこと
・今朝、タール状の便をしたこと
・その後の便の色がグレーだったこと
・朝から下痢が止まらないこと・・・
・ずっと肝臓疾患を疑われていたこと・・


助手先生は、カルテに要点を書き込みながら頷いていました。
その後では、学生さんがノートに私が言ったことを書いていました。

診察台の上の乙音は、見知らぬ大勢の人にビックリしたかのように、ずっとまん丸な目をしていました。
どこに連れてこられたか、不安だったろうね・・

【2006/4/24 闘病60日目 ~診察1】 _b0087891_15525853.jpg



  「では、お預かりして検査をします。2時間程度掛かります。」

助手先生のお言葉に、私達は「お願いします」を繰り返し、乙音の頭を撫でました。

  「状態が良くないので、検査中に急変する可能性もあります。」
  「病院の外に出て頂いても構いませんが、携帯は繋がるようにして下さい。」

「状態が良くない」  ・・助手先生が何度も口にされた言葉です。。
素人の私達が見ても悪い状態であることは明らかなくらい、腹水によってお腹は膨らんでいました・・
それでも私達は乙音の治癒を信じようとしていたので、何度も耳にする「状態が良くない」という言葉に、私は心の中で「そんなことない!」と、いちいち抵抗していました・・

  「つくちゃん、頑張ってね!」

動けない乙音は座ったまま、大きなまん丸の目で、診察室を出る私達を追いかけていました・・
私達は後ろ髪を引かれる思いで、診察室のドアを閉めました。

ここまで来て、原因が特定できず、効果的な治療ができない事態にならないことを祈りました。
「もしかしたら今日は乙音と一緒に帰ることができないかもしれない」と、私は思っていました。妻はそうではなかったようですが・・。

この後、乙音と会えたのは1回だけで、しかも5分足らずの時間になろうとは、この時は知る由もありませんでした・・



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by harutsuku | 2006-08-24 16:00 | 闘病記
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